日本のワイン事情
当初はアメリカ系のブドウ種の栽培が中心でしたが、フィロキセラ(Phylloxera:ブドウネアブラムシ)によって一度途絶えてしまいました。
その後は国産ワインの需要も少なく、各地で細々とつくられているだけでしたが、第二次世界大戦後の農業革新の過程で、ある程度の規模をもったワイン醸造が行われるようになりました。
しかし国産ワインは輸入された果汁やバルクワインの比率も高く、まだまだ発展途上といわれていました。
日本人の嗜好としては、当初はワインの酸味や渋味が全く受け入れられず、長らく蜂蜜など糖分を加えてこれらを緩和させた甘口ワインが主流でした。
当時の消費者が「ワイン」として認識していたものは、サントリーの「赤玉ポートワイン」のようなかなり甘い種類のものでした。
この傾向は1970年代頃まで続き、本来のワインはむしろ「葡萄酒」と呼ばれ、趣味性も高く、ヨーロッパからの輸入ワインに頼っていました。
1970〜80年代頃から本格的なワインに対する一般の認知度も高まり、ブドウを果物として食べることとは別に、飲用として摂取することも広まってきました。
これを受けてワイナリーと称する専業生産者も本腰をいれるようになり、欧州本場に倣った垣根式の栽培法を取り入れ、害虫に強いヨーロッパ系新種のワイン用に特化したブドウ栽培を展開し始めたのです。
いくつかのワイナリーからは純国内栽培による優秀なワインも生産されて、海外の品評会での受賞も見るようになり、国際的に評価されるようにもなってきました。
また、日本独特の消費者感覚から無添加・無農薬ワインも生産されるようにもなりました。
その後、洋酒に関する輸入関税の緩和や、日本の食文化の多様化、ポリフェノール効果によるブームなども手伝って、近年ようやく本格的なワインが理解されるようになり、国内での品質の高いワイン生産を促進させる下地となりました。
2002年からは、山梨県が主導して「国産のぶどうを100パーセント使用して造った日本産ワイン」を対象とするコンペティションも行われるようになり、ヴィニョロンと呼ばれる個人醸造家による出品から大手メーカーの力作まで、純国産ワインの品質向上を競うようになっています。



